E.o.S.u.S.は学生と社会をつなぐ

E.o.S.u.S(イオサス)は、「学生の目で見た社会」を学生が描き、社会を見る学生の目、社会との関わる学生の力を養うことを目的としたサイトです。

明治大学情報コミュニケーション学部で私が担当するゼミナールを中心に、学生が学び、考え、感じた社会への視線を発信していきます。

 

教育と実社会の乖離&実社会の分断

憲法の専門家である私は、講義で「表現の自由は民主政の過程にとって不可欠なので、優越的地位を有し、厚く保障される」と教えます。優秀な学生はその通りに答案を書き、高得点を得ます。でも彼は、実社会で民主政の過程に参加して政治的な意思を表現したいと思ったことなど一度もない。表現の自由を侵害されて提訴することも一生ない。彼が答案に書いた「正解」の必要性を実感することはけっしてありません。いたるところで生じている教室と実社会の乖離は、もはやそれと感じないほど当然のものとなっています。

一方、実社会では「分断」が問題とされています。人々は「自分と同じ」人とだけ関わり、「異なる人」は存在しないかのように暮らしています。しかし、実社会にはいろんな考えのいろんな人がいます。「異なる人」との摩擦や軋轢を受け入れ、多様性を楽しめなければ、「異なる人」は「空気が読めない人」と嘲笑され、対立が起きれば存在すべきでない「悪」として排除されます。そうした社会の政治は、寛容の精神も合意形成の能力もない「多数派独裁」か「決められない政治」に陥ります。

 

社会を創る試みとして

だから、このサイトの目標は、まず自分の関心を社会に示すこと、次にそれへの賛否両論を受け入れること、そして両論のその先を考えることです。

それが出来る人を育てることは、多様な価値観を持つ自由で自律的な個人が社会を営み、代表を通じた合意形成により運営される国家がそれを支える、そんな憲法の理念が機能するための前提を創り出す作業でもあります。

 

E.o.S.u.S. 編集責任者

明治大学情報コミュニケーション学部 田村 理